小道舎の小芝俊亮です。
今回から、少しずつ私の編集者としての履歴を書いていこうと思います。
はじめて編集の仕事に携わったのは、大学の先輩が卒業後に就職していた編プロでのアルバイトでした。
編集の仕事といっても、当時は未経験の学生ですので、仕事内容は資料集めやネタ探しなどの雑用が中心でした。
当時の仕事で印象に残っているのは、某週刊誌の1~2見開き程度の小さいコーナーのライティングです。
内容は、読者からの投稿や取材記事を装った「恥ずかしい話」をテーマとした記事のテキスト制作で、「下半身の恥ずかしい話」「サークル合宿での恥ずかしい話」といった、”恥ずかしい話シリーズ”を何度か書きました。
当時書いた内容はあまりにも下品なので詳細は省きますが、いろいろと笑えそうな小ネタを絞り出し、仕込んでいく作業は楽しかった記憶があります(笑えるストーリーを量産するのは難しかったので、文中に笑える小ネタを散りばめる努力をした)。
署名原稿ではないとはいえ、自分が書いたものが全国流通している雑誌に載っているのを初めてコンビニで立ち読みした時には、嬉しかった記憶があります。
大学の最終学年になった時、その編プロの社長から「卒業したら働かない?」と誘われたのですが、プロレスの話題についていけなかったり(当時は興味がなかった。今も詳しくはない)、エロや賭け事がテーマの仕事に順応できるかという不安があったりで、断ってしまいました(しかし、数年後にアダルト系業界誌の編集に携わることになる)。
断った背景には、当時の私は「就職するなら長く働ける会社に行きたい」という意識が(生意気にも)あったため、編プロという業態はなんとなく頼りなく感じたということもあります。
また、就職のための努力を何もしていなかったにもかかわらず、「どこかしらの会社には入れるだろう」などと、今思えばとんでもない楽観をしていました。
しかし、時代は就職氷河期のど真ん中でした(そして、私はそのことに気づいてすらいなかった)。当然ながらその後、なかなか就職できず、後悔することに…。
こうして編プロで働くという道を自ら閉ざしてしまったのですが、当時の私は、その後の仕事人生において、複数の編プロを渡り歩くことになるとは想像すらしていませんでした。